6/1にBuy localのフリーマガジンが発行されたことにより、大阪メトロ主導で西田辺・長居・あびこのエリアリノベーション(地域活性化事業)が行われることが分かりました。
(詳細は過去記事「2020/6/1~西田辺・長居・あびこでBuy Local magazine(バイローカルマガジン)が始まりましたよ!」をご覧ください。)
エリアリノベーション・・・「実際どんな感じで行われていくのか」「まちがどう変わっていくのか」気になりますよね?
長居公園周辺がどんな風に変わるのかな~?(ワクワク♪)と思って調べていたら・・・偶然にも、ブログ仲間のいる三重県伊賀市が過去にエリアリノベされた地域であることを発見!

ブログ仲間の運営する地域ブログを見ていて、伊賀市がすごく素敵なまちだと知っていたんです。
だから、「えっ!長居周辺もめちゃめちゃイイ感じになるんじゃないの!?」とドキドキして、とっても期待が高まりました!
そこで、今回は、三重県伊賀市の地域ブログを運営している、いがりんくさん(@iga_link)にエリアリノベ前後の伊賀市についてインタビューしてみました。
- 西田辺・長居・あびこのエリアリノベーションが気になっている
- エリアリノベーションって実際どういう感じなのか、生の声を聞きたい
- エリアリノベーションが行われた他の街の事例を知りたい
三重県伊賀市のエリアリノベーションで行われたこと

最初に、三重県伊賀市で2013年~行われたエリアリノベーションについて紹介します。
伊賀市のエリアリノベを手掛けた(そして長居周辺のエリアリノベを主導する)のは、株式会社サルトコラボレイティヴさん。
「美しいまちを守り、育てるため、地域に新しいチャレンジが自発的に創出する社会の実現をめざします」というビジョンを掲げて、各地のエリアリノベーション(地域活性化事業)を行っています。

単に新しいお店を作ってきれいな街を作るだけじゃないんです。
地元の人達やお店と協力をして、その地域の魅力を引き出しながら、地域の価値を高めることに焦点を当てているようです。
そんな株式会社サルトコラボレイティヴさん率いるダーコラボラトリLLPさん(伊賀の魅力を発信する地元の会社)が、伊賀市のエリアリノベーションとして以下のようなことを行いました。
- 商店街のリノベーション(長屋リノベーション・新天地Otonari)企画
- 定期的なローカルマーケット(伊賀風土FOODマーケット)の開催
- ローカルマガジン(季刊誌ダーコ*)の刊行
- 店舗プロデュース
- 商品開発 etc…
*季刊誌ダーコは、現在は発行されていません。
ダーコラボさんは、現在も新天地Otonariの管理やPR、伊賀の情報サイト「だーこ」の運営等幅広く活躍されています。
【インタビュー】三重県伊賀市はエリアリノベでどう変わった?!

それでは、ここからインタビューです。
長居ごはんの看板犬であるリックにインタビューしてもらいました。

インタビューは初めてだけど、がんばるワン!
いがりんくさん、よろしくお願いします!
いがりんくさんの自己紹介

最初に、簡単な自己紹介をしてもらえますか?!

伊賀に生まれ、伊賀に育ち、伊賀歴約40年のいがりんくです。
小学生と幼児のママをしながら三重県伊賀市の情報を発信するブログ「いがりんく」を運営しています!
お仕事と子育てをしながら地域ブログの運営もされている、パワフルなママさん!
「いがりんく」の運営を始めたきっかけ

「いがりんく」の運営を始めたきっかけを教えてください!

きっかけは、我が子の「忍者が見たい!」という一言。
10年ぶりに伊賀の観光名所、伊賀流忍者博物館へ行くことになり、観光サイトで下調べをしたところ、欲しい情報(ベビーカーで行けるか等)が見つからなかったんです。

なるほど!たしかに、子連れだと気になるポイントが増えますね。
子供とお出かけするときには、事前におむつ替えができる場所や授乳室の有無などを調べるって聞いたことある!

そこで子連れ目線での観光や地元の情報を発信して、少しでもママ・パパがお出かけしやすくなるような情報源を作ろう!と、ブログを始めました。
エリアリノベーションが始まる前の伊賀市はどんな雰囲気だった?

エリアリノベーション(地域活性化事業)が始まる前の、伊賀市の雰囲気や印象など教えてください!

私が子供の頃は、ちびまる子ちゃんやサザエさんの世界に出てくるような、昔ながらの商店街の賑わいが伊賀にもありましたね。
お手伝いでお肉や野菜を買いに行くと、顔なじみの店主さんが気さくに声をかけてくれたり・・・自然と地域のかたとの関わりかたが学べるような環境だったなぁと思います。

わぁ~アットホームな雰囲気がいいですね!

でも、大型ショッピングモールなどがオープンするにつれて、自分が子供の頃におつかいに行っていた商店さんがどんどん店を閉めていって、寂しさを感じていました・・・
伊賀市での生活には車が必須。
だから、買い物が一か所で済む便利なショッピングモールにお客さんが集中していき、その結果小さな商店さんはお店をたたんでいくという悪循環が起きていたそうです。
伊賀風土FOODマーケットってどんなかんじ?
個人店が減り、シャッター通りとなった上野市駅前の商店街でしたが、エリアリノベーションが始まると、少しずつ様子が変わっていきました。
きっかけの一つになったのが、「伊賀の美味しいもの」を感じられる場所を作ろうというコンセプトで定期的に開催されている伊賀風土FOODマーケットです。

2014年~定期的に開催されている伊賀風土FOODマーケットってどんな感じですか?

最初は「ふうど?フード?なに?」ってレベルで残念ながら認知度も低かったと思います。
でも、回を重ねるごとに実際に行った人からの口コミで広まり、アッという間に「毎月第2日曜はフードマーケットの日」というスケジュールが定着していきましたよ。
マーケット開催日には、会場の小さなスペースに栄えていた頃の城下町の賑わいがよみがえったかのような活気で溢れています!

新しい取り組みが、ちゃんと地元に根付いたのですね。
地元の人たちが楽しめるイベント的なものが定期的にあるのっていいなぁ!!
普段はわざわざ足を運ばない、個人経営のお店に対しても
- マーケットなら「ついでに買ってみようかな?」と試しやすい
- お店の味の素晴らしさを感じる
- 美味しかったので今度は直接お店へ買いに行こう
という好循環が生まれ、個人経営のお店への客足が戻ってきているそうです!
伊賀風土FOODマーケットにより、身近になったお店の例

伊賀風土FOODマーケットを通じて、若い人も入りやすくなった個人店の例として、「鮮魚店フジヤマ」さんを挙げてくれました。
鮮魚店フジヤマさんは、昔ながらの魚屋さんなのでお堅いイメージがあったり、狭い路地を入ったところにあるのでちょっと行きづらいなぁというイメージを持っている人も多いお店だったとか。

フードマーケットではお惣菜やその場で食べやすいものを中心に販売されているので買いやすいんです。
フードマーケットで購入したお惣菜がきっかけで、食材の美味しさを活かした優しい味わいのファンになり、地元の魚屋を身近に感じられるようになりました。

魚屋さんでお惣菜を販売しているのって珍しいですね!
たしかに、「お惣菜だったら、ちょっと買ってみようかな?」って心理的なハードルが下がるのが分かる気がします。


フードマーケットの出店だけでなく、SNSでの発信もたくさんされていると、身近に感じますね!
↓鮮魚店フジヤマさんのInstagram
エリアリノベーションが始まってからどのようにまちが変わっていった?

定期的なフードマーケットのほかにも、昔ながらの商店街をおしゃれにリニューアルさせた新天地otonariや店舗のプロデュースなどが行われました。
まちの変化について、地元のかたはどう感じていたのかを聞いてみました。

エリアリノベーション(地域活性化事業)が始まって、まちはどんなかんじで変わっていったのでしょうか?!

「まずは地元民が伊賀のファンになった」と思いましたね。

えっ!素敵!詳しく聞かせてください!

昔の商店街のような「お店とお客さんとの近い距離感」が戻ってきたように感じていて。その距離感が良い循環を生み出しているんです。
具体的には・・・
- イベントなどを通じお店との距離が近くなって、コミュニケーションが深まることでお店のファンになる
- お店で買った商品をInstagramやTwitterなどのSNSでシェアする
- SNSを見て、ファンが更に増える
という流れができて、地元の人たちの間に個人経営のお店が広まっていきました。

SNSをうまく活用して、お客さんと繋がっているお店が多いのが印象的!
伊賀で評判のお店を見てみると、そのレベルの高さに驚かされます。
思わずSNSでシェアしたくなるような、おしゃれなお店がたくさんありますね♪
- インスタ映えしまくっている、地元のお米や野菜を使ったお弁当やお惣菜を販売するBENTO根暮さん
- 商店街内のコーヒースタンド、NEW THINGS coffee&othersさん
エリアリノベーションによるマイナスの影響ってある?
エリアリノベーション(地域活性化事業)での良い影響がある反面、何かマイナスの影響があったのかも聞いてみました。

物事には二面性があると思いますが、エリアリノベーションが始まったことで、お店や地域に何かマイナスの影響ってありましたか・・・?!

うーん、、、直接は関係ないかもですが、ネット(ホームページやSNS)を活用しているか否かで、お店の二極化が進んでいるようには感じますね。
SNSなどで発信をしていたり、時代に合わせて柔軟な対応をとっているお店は、どんどん口コミが広がって話題になりやすい!
その反面、ネットに抵抗があったり、そもそも使える人がいないお店もあるので・・・その辺りは差が広がってるなと感じているそうです。
ネットの活用については時代の流れもあるかと思いますが、ネットの活用は地域活性化の一つのキーになりそうですね!
ダーコラボさんの企画以外でもまち全体が変わった?


ダーコラボさんが関わっているプロジェクト以外でも、 エリアリノベーションの影響でまち全体が変わってきたと思いますか?

目に見えて大きく変わった!という印象はまだないかも。
でも、エリアリノベーションがきっかけとなって、地元伊賀を愛する心の輪は着実に広がっているように感じています!
いま新天地Otonariを盛り上げているメンバーの中で伊賀で生まれ育った40歳の同級生が4人もいらっしゃるそう。
いがりんくさん同様に、昔のにぎわいがあった新天地周辺エリアを知っている年代で、生まれ育った伊賀を大切にしている人たちばかりで。
年齢を感じさせないアクティブさと発想の豊かさで、地元ではカリスマ的な存在になっているそうです!

これまでの伊賀と言えば「忍者」を推してPRするのが主流でしたが、ダーコラボさんは「食」や「人」にフォーカスすることを大事にされていました。
その結果「美味しいものを食べに伊賀へ行く」「あの人の作品がほしくて伊賀へ行く」という伊賀に対する新たなブランディングが実って来たのではないかと感じています。
→今後、さらに地元でのビジネスが発展し、地域が活性化していくきっかけになりそう!
まとめ:エリアリノベは地域の特色を活かした面白いプロジェクト!
古くからある商店街や地域の良さを活かしながら、地元の人たちが中心になって行われた伊賀市のエリアリノベーション。
単に新しいお店ができるだけでなく、地元の人たちが改めて自分達の住んでいるまちの良さを知って、さらにまちが好きになる・・・そんな素敵な循環が生み出されていました。
地元民のいがりんくさんにインタビューしてみたことで、次のような良い変化があったことが分かりました。
- 地元民が伊賀のファンになった!
- 昔の商店街のように、お店とお客さんとの距離が近くなった
- 商店街を盛り上げようと頑張っている店主さん達がカリスマ的存在に!→今後、若い人達が地元で新たなビジネスに挑戦するきっかけになったり、さらにまちが元気になっていくことが期待されている
そのまちの特色を生かした方法が取られるようなので、伊賀と全く同じようになるわけではありませんが・・・
長居公園周辺のまちは、どのような変化を遂げていくのか、とても楽しみになりました♪
「長居ごはん」では、今後もエリアリノベーションの進展などについても、情報発信をしていきたいと思います!
今回のインタビューと写真提供にご協力くださったいがりんくさん、どうもありがとうございました!!